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​高齢化の進行に伴い、認知症(アルツハイマー等)や、脳の病気に伴う認知機能障害を患う方が増えています。認知障害により的確な判断ができなくなることで、本人および周辺にさまざまな問題がもたらされることは、体験した方ならひしひしと実感できるかと思います。認知症対応法務に代表されるのが「成年後見制度」です。この制度は認知症の程度や発症タイミング、期待する効果によって、以下の2つに大別されます。

​1.法定後見

【主な対象者】

現時点ですでに判断能力が欠けている、もしくは不十分な状況にある人が対象となります。

【後見類型】

専用の診断書をもとに、3つの類型(後見/保佐/補助)にあてはめます。後見が一番重たい状態です。

【申立人】

原則として本人、配偶者、4親等以内の親族が申立人となり、家庭裁判所に申立を行います。これらの親族が不在のときは、市町村長が申立人となる制度も存在します。

【メリット】

後見人が財産を管理することで本人の財産が適切に守られ、悪徳商法による契約も取り消すことができます。親族による財産の使い込みを防止することにもつながります。また、後見人がつくことで介護施設の入所契約が可能となる場合もあります。

【デメリット】

誰が後見人に選ばれるかは裁判官の判断次第となるため、自分が親の後見人になりたくてもできない場合があります。また、一度選任された後見人は、原則として本人が死亡するまで終了できないため、家族が蚊帳の外に置かれる事例もあります。家族ではなく専門家が後見人になった場合には、相応の報酬も発生します。

2.任意後見契約

主な対象者】

現時点で、まだ判断能力がしっかりしており、物事の因果関係を理解できる人が対象となります。

【2つの段階】

 《第1段階:任意後見契約書の作成》

 「自分が将来認知症になったら誰に後見人になってもらうか」「その後見人にどのようなことをお願いするか」を公正証書で取り決めておきます。

 《第2段階:監督人選任申立》

  認知症が進行し判断能力が不十分になってきた時点で、任意後見契約の受任者が家庭裁判所に申立を行います。これによって契約受任者が正式に「後見人」となります。その後見人の業務を監督する「任意後見監督人」が裁判所から任命されてきます。

【メリット】

・元気なうちに将来の後見人を決めておけるので安心です。

・任意後見監督人が後見人の事務処理を監視することで、財産の不正利用を防止します。

・第1段階では、後見契約とは別に、自分の死後の事務を託すことも可能です。

【デメリット】

・第2段階に入ると、任意後見監督人にも報酬が発生します。

任意後見人ができることは、事前の契約書で取り決めた事項を代理することのみであり、広範な権限を有する法定後見人に比べると、実務上対応できないこともあります。

※2026年6月に成立した改正民法等により、成年後見制度が抜本的に改正されることになりました。「後見類型の一本化」や「目的達成後に制度利用を終了できる」ことが大きな変更点です。実際の運用開始は2028年頃となりそうですが、これにつれて申立書類や段取りも大きく変化しそうです。

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